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アデノウイルス感染症

 主に呼吸器系の感染症を起こすウイルスです。現在49種類の違ったタイプのアデノウイルスが確認されており、いろいろなかぜひきの原因になります。
 あらゆる症状が起こりえますが、おしなべて、きつい発熱が特徴のようです。
 ウイルスに対する根本的な治療はありませんので、熱や咳などをお薬で緩和しながら、なおるのを待つしかないということになります。
 基本的には、予後はよい(重症にはなりにくい)といわれています。
 夏に流行する「プール熱」が有名です。
 ちなみにアデノウイルスの潜伏期間(ウイルスをもらってから発症するまで)は5-7日といわれています。

 

 

咽頭炎(急性上気道炎、なつかぜ)

 のどが赤く腫れて、しばしば扁桃炎を伴います。
 冬のインフルエンザのシーズンでも見られるかぜひきで、たいてい発熱を伴います。
 インフルエンザの検査で陰性なのに熱がきついかぜひきは、アデノウイルスの感染であることも多いようです。

 

肺炎

 アデノウイルス3型、7型、21型による肺炎は、非常に重症で命に関わることもあります。
 集中治療で回復しても、気管支や肺の後遺症を残して、喘息や肺炎など起こしやすくなるそうです。

 

 

咽頭結膜熱(プール熱)

 ほとんどが、アデノウイルス3型によるものといわれています。
 5日(もしくはそれ以上)続く高熱と、咽頭炎(のどが赤い)、結膜炎(目の充血)が特徴です。首などのリンパ節の腫れ、鼻水なども伴うことが多いようですが、咳はそれほどひどくないようです。腹痛や下痢も伴うことがありますが、全体的には「熱のわりに意外に元気」なことが多いようです。
 8月頃が流行のピークで、塩素消毒が不十分なプールで爆発的に流行することがあるので「プール熱」と呼ばれますが、もちろんプール以外でも感染します。

 

 

急性出血性膀胱炎

 アデノウイルス11型で起こることが多いようです。
 小中学生でよく見られ、肉眼的血尿(赤い、もしくは紅茶のようなおしっこ)が特徴で、発熱はあまりないようです。
 膀胱炎症状(排尿痛、頻尿)は2-3日でおさまり、尿所見も2週間以内には改善するといわれています。

 

腸間膜リンパ節炎

下痢を伴わないで、腹痛を訴えます。
 しばしば急性虫垂炎(もうちょう)と間違われたり、腸重積の引き金になることもあるそうです。

 

 

​結膜炎・胃腸炎・ウイルス性発疹

アデノウイルスによる結膜炎や、胃腸炎や、ウイルス性発疹などもよく見られます。

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